義歯(ぎし・入れ歯)とは、歯がなくなってしまった所、歯がダメになったしまった所に、歯を入れるための装具です。手足を失ってしまった時に着ける義手や義足などと同じです。
なぜ、何のために、人工の歯を入れるのでしょう?
お口の中の状態は、患者様個々によって違います。
1歯欠損(1本の歯がない状態)から、無歯顎(28本全ての歯がない状態)まで様々です。つまり状態によって歯を入れる主目的は変わります。
重要なのは失われた歯の機能を義歯が代理するということです。
歯の機能とは、摂食、発音、見た目(印象)です。
どれも生きる事や生活の質にとって重要です。
例えば、歯が無ければ、食べ物を噛んで食べる事ができません。
歯が無ければ、言葉をきちんと発音する事ができません。
前歯が無ければ、見た目の印象に大きな影響があります。
また、義歯には残存歯(残った歯)への負担を減らして歯を守る役割もあります。
例えば、このように上顎の奥歯がなくなってしまった場合、
このような部分入れ歯を作製します。
このように装着します。
義歯(入れ歯)の利点は、
逆に欠点は、
1.残っている歯の治療と義歯の設計
残っている歯にむし歯や歯周病などの問題がある場合は、先にそちらの治療を行います。
義歯を作製した後に、義歯の設計変更や作り直しなど、より大きな問題を予防するためです。
2.義歯を作製するための型を取ります。
お口の中にピッタリとフィットする義歯を作るために、精密な型取りが重要です。
歯だけでなく顎の形を正確に再現する必要があるため、場合によっては型取りを2回する事があります。
3.噛み合わせを取ります。
少数歯欠損の場合、型取りと同時に噛み合わせを取ります。
多数歯欠損の場合と総入れ歯(全く歯が無い)の場合、型を基に噛み合わせを取るための土台(ロウ堤、左の画像)を作り、型取りとは別の日に噛み合わせを取ります。
4.人工歯を配列します。
噛み合わせに合わせて、模型上で入れ歯用の人工歯を並べます。
多数歯欠損の場合と総入れ歯(全く歯が無い)の場合は、人工歯仮並べの状態を、実際のお口の中でチェックします。
5.義歯を完成させます。
歯に装着するためのフック等を作製して、人工歯とフック等を義歯本体に固定し、義歯を完成させます。
6.義歯を使用するために調整します。
完成した義歯をお口の中に装着して調整します。
取り外しや清掃方法などの取り扱いを覚えて頂きます。
実際に使用して頂き、痛い所などがないかチェックします。問題なく使用できるようになるまで、最低3~5回くらいの調整が必要です。